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コラムレター

#0174 「つみたてNISA」制度について
2017/12/27
 株式投資による譲渡益・配当金が非課税になる制度として2014年から始まったNISAに加え、2018年より新たに「つみたてNISA」制度がスタートします。

 つみたてNISAは、NISA口座内において2037年までの期間の間で購入した一定の投資信託によって得られる分配金、売却した際の譲渡益が非課税になる制度です。非課税となる投資限度額が年間40万円、非課税期間が20となっており、現行のNISAの投資限度額が年間120万円、非課税期間が5年であることを考えますと、より長期の資産形成に適した制度となっています。

 現在は投資信託の分配金・配当金・譲渡益に対して所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%の計20.315%を税金として納める必要があるため、これらが非課税になることは大きなメリットと言えます。

 ただしいくつか注意すべき点があります。
 1つ目は、投資信託を買い付ける取引は、定期的かつ継続的な方法に限られる点です。したがって自分の好きなタイミングで任意に積立を行うことはできません。
 2つ目は、自由に投資信託商品を乗り換えられない点です。乗り換えを行うには一旦投資信託を売却して新たに別の投資信託を購入することになるため、新たな非課税枠を使ってしまうこととなります。同じ非課税枠の中で乗り換えを行うことはできません。
 3つ目は、他の口座との損益通算ができない点です。例としてNISA口座で譲渡損が発生し、一般口座もしくは特定口座で譲渡益が発生した場合、譲渡益を相殺することはできず譲渡益全額に課税されます。これは現行のNISAと変わりありません。

 現行のNISAとつみたてNISAはどちらか一方の選択となります。また同じ積立型投資の非課税制度として個人型確定拠出年金(iDeCo)もあります。いずれの制度も将来の資産形成に大きく寄与する制度であるため、それぞれの制度のメリット・デメリットを把握してどの制度が自分に適しているかをよく考え、上手に活用していきたいところです。

税理士法人 さくら総合会計 監査部 東 雄也