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#0197 公益社団法人・公益財団法人の立入検査について(自主検査チェックポイント)
2020/11/06
令和2年度の北海道における公益社団法人・公益財団法人に対する立入検査について、
北海道庁では新型コロナウイルス感染防止対策を講じた上で例年どおり計画的に実施できるよう準備を進めているようです。
(令和2年9月2日付事務連絡 北海道総務部法人局法人団体課主幹)

上記事務連絡によると、会計・経理事務の適切な執行について重点的に点検を行う必要があるため、
立入検査の受検準備の一環として「自主点検チェックリスト」による法人の自主的な再点検を促しています。

今回はこの自主点検チェックリストから日常的に触れる機会の多い現金等の管理に係る論点を拾い上げ、
それらの点検項目を不正防止の観点からご説明致します。


・現金等及び貴重品の管理における牽制の徹底
 <点検項目>
  イ 通帳と銀行届出印の管理者について、経理・出納担当者ではない者としているか。

  ロ 通帳と銀行届出印を施錠可能な別々の金庫などで保管しているか。

  ハ 定期的な残高の確認と、会計帳簿(現金出納帳等)や預金通帳、残高証明書(原本)等との照合を行っているか。
 
 <点検項目説明>
  イ 金銭出納実務を行う者が通帳と銀行届出印の両方を管理している場合、しかるべき承認を得ていない引出が可能となってしまいます。

  ロ 通帳と銀行届出印を施錠できる金庫に一緒に保管している場合でも、
    金庫にアクセス可能な者が通帳等一式を持ち出し、引出が可能となってしまいます。
    保管する金庫を分け、かつ、カギも別々の者が保管することでそのようなリスクの軽減を図れます。
 
  ハ 管理者による定期的で確実な残高の確認は、横領などの不正行為の牽制につながります。

  ※小口現金についても点検項目がありますが割愛しております。
   現金の保有は必要最低限とし、支出行為も可能な限り口座振替等を利用すべきです。
   また、小口現金出納帳や残高の確認も役職者が毎日確認することで不正のリスクは軽減します。

   
不正を防止するにはそのための体制作りが必要です。
体制づくりにあたっては法人内にどのようなリスクが存在するのかを把握し、そのリスクを防ぐには何をすればよいのかを知る必要があります。
限りある法人資源(人・物・金)で、かつ、過度な負担にならないような体制づくりが求められます。

 
税理士法人さくら総合会計 公益・社会福祉法人部 斉藤輝彦