#0053 消費税の二重課税
2008/07/29
突然ですが、消費税の2重課税とか2重取りという言葉、聞いたことはありますか?
テレビでよく聞くのですが、今日はその消費税の2重課税について、お話をいたします。
まず、2重課税とはどんなことなのか、タバコを例にあらためて計算式にしてみます。
たばこ税を含めて5%かけるのは2重取りではないか、そのように思うのは当然です。
ここで、消費税とたばこ税について少し説明しましょう。
消費税というのは、その名のとおり、消費に対して課される税です。ということは、消費税負担者は喫煙者であり、納税義務者は事業者です。
一方、たばこ税は歴史が長く、そもそもは、日露戦争の戦費を賄う目的として生まれました。戦後の現在では、喫煙者を減らすことによる医療費削減や、贅沢税など、扱われ方は様々です。ただし、納税義務者は変わりません、たばこの製造者です。
以上から、上記の算式に出てくる二つの税金における納税義務者は違うことになります。この算式のカラクリは、製造者はたばこの卸価格にたばこ税相当額を転化し、それを買う喫煙者に負担させているというわけです。
つまり、この算式にふくまれているたばこ税は、製造コストの一部であったわけです。
結果、税金の2重取りは生じていないといえます。
ただし、これは納税義務者が別であるという観点から見た話。
たばこ税の納税義務者である製造業者の収入源はどこかと言えば、たばこの消費者なの
ですから、税金を負担する人という観点からすれば2重課税という見方もできます。
そうなると、たばこ税に限らず企業が支払う全ての税金は、私達消費者からの儲けで賄われているわけですから、消費税は全てが2重課税になるとも考えられます。
国としては税金を課す対象を幅広く設定して広く浅く税収を確保しようとしたのですが、私達消費者が企業の収入源と考えると、全て消費者に負担がかかっていることになります。
ただし、全ての人は消費者であるし、企業も買い物をすれば消費者です。
消費税は買い物をする人に平等に課されるわけですから、2重課税はあったとしても、不公平はないことになりますね。