#0199 非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度の改正点(2021年度税制改正大網)
2021/03/03
2021年度税制改正大綱で、非上場株式等に係る相続税の納税猶予の特例制度の改正が示されました。この制度は、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下、円滑化法といいます。)による都道府県知事の認定を受ける非上場会社の株式等を被相続人(先代経営者等)から後継者である相続人等が相続又は遺贈により取得した場合、その非上場株式等に係る相続税について一定の要件を満たす場合、その納税が猶予され、後継者である相続人等が死亡した場合等に猶予されている相続税の納付が免除される制度です。
今回の改正点は、被相続人である代表者等の相続開始の直前に、後継者である相続人等が納税猶予制度の適用を受けようとする会社の役員である旨の要件がありますが、こちらが緩和され以下の要件のどちらかにあてはまる場合、会社の役員でなくてもよいこととされました。(①については、非上場株式等に係る相続税額の猶予税額が80%である一般制度についても適用となります。)
〔 要 件 〕
① 被相続人である代表者等が 70 歳未満(現行:60 歳未満)で死亡した場合
② 後継者である相続人等が円滑化法の確認を受けた特例承継計画に後継者として記載されている場合
中小企業経営者の高齢化を踏まえ制度の活用促進を図るための改正です。この制度は、猶予される相続税額が100%となる制度で、平成30年(2018年)1月1日から令和9年(2027年)12月31日までの期間限定の特例です。特例制度を適用する場合、令和5年(2023年)3月31日までに特例承継計画を策定後、都道府県知事に提出し確認を受ける必要がありますのでご留意ください。
また制度の詳細は国税庁ホームページにパンフレットがございますので、こちらをご参照ください。
URL: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201905/01.pdf
※本記事の内容は令和3年1月末時点の情報です。税制改正の最新の情報は各省庁のHP等で確認してください。
株式会社さくら総合M&Aセンター 成田憲司