#0192 事業計画作成による経営戦略策定のススメ
2020/01/24
ルートが分からない道に向かって、見知らぬ場所を歩むとき、人は、誰でも不安になります。でも、もし手元に1枚の地図があったら、きっとどんな場所でも自信を持って進めるに違いありません。
それは、企業経営においても例外ではありません。
そこで、事業運営の地図とも言える事業計画作成の必要性と、作成プロセスの概略をご説明します。
1.事業計画を作成するとは・・・?
①「あるべき姿」を明確に経営者自らの手で描く
自社への「想い」を明確にすることからスタートです。社長自身が「将来、自社をどん
な会社にしたいのか」、「3年後、5年後に会社はどうあるべきか」を自分の頭でじっか
り考え、「あるべき姿」を鮮明にすることが大切です。
②「あるべき姿」と現状の差を認識する
「あるべき姿」を明確に描くことによって、現状との差が浮き彫りにされます。この差
を埋めることが自己革新に繋がり、外部環境の変化に翻弄されない企業体質を作ります。
③「あるべき姿」へのプロセスをシミュレーションする
「あるべき姿」を実現するには、実行可能性が高い仮説が不可欠です。つまりゴールを
明確にし、そのゴールから逆算すれば、「やるべきこと」がはっきりと可視化され、目
標達成のシナリオをシミュレーションすることが可能になります。
2.事業計画作成の具体的なSTEP
①財務分析 ・・・決算書のデータを基に、会社の経営状況を把握
↓
②中期経営計画立案・・・5カ年にわたる売上、経費、投資等の計画書を作成
↓
③単年度計画立案 ・・・5カ年の1年目の計画を基に、月々の行動計画に落とし込む
3. 計画とのズレの原因把握と対策の立案
行動計画まで落とし込んだ単年度計画を作成するだけでは、本当の意味での経営戦略を策定したとは言えません。
月に一度、経営会議を実施し「数値計画」や「行動計画」に対する現状との差異を分析し、今後の課題を明らかにします。
これを解決するための次月以降のアクションプランの練り直しまで行ってこそ、事業計画を作成した意義が深まります。
計画作成の一番のポイントは、誤差の小さい計画を作成することではなく、生じたズレをいち早く認識し、それに対して有効な手を打つことです。
ズレの発生に不安がらずに、経営計画を先ずは作成することが何より重要です。
税理士法人 さくら総合会計 監査部 若原 真司