税務や会計業務を中心に事業全般のコンサルタントを担う税理士事務所
011-271-1417
(受付時間:平日9:00~17:30)

コラムレター

#0018 就業規則は作成されていますか?
2007/08/20
◆はじめに
 就業規則は多くの方が働く職場において労働条件を公平・統一でき、かつ職場規律を明確にでき、事業経営に必要不可欠なものではないでしょうか?

 今回は使用者が定める労働条件や職場規律に関する規則である就業規則についてご紹介いたします。

◆就業規則の作成・届出義務
 正社員・パートタイマー等を含めて常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し、所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。
 作成の権限と義務は使用者側にあるため、作成または変更をするときは、労働者側の意見を聴かなければなりません。
 ただし、同意を得るとか協議をするとの意味ではなく、「全面的に反対」の意見が述べられていても就業規則の効力に影響はありません。

◆就業規則の記載事項について
 就業規則の記載事項には、いかなる場合にも必ず記載しなければならない「絶対的必要記載事項(以下の1~3)」と制度として行う場合には記載しなければならない「相対的必要記載事項(以下の4~11)」があります。
(絶対的必要記載事項)
1  始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を交替で就業させる場合においての就業時
   転換に関する事項

2  賃金(臨時の賃金等を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切及び支払の時期並びに昇給に
   関する事項

3  退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
(相対的必要記載事項)
4  退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の
   方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

5  臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
6  労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
7  安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
8  職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
9  災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
10 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
11 以上のほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

 必要記載事項の一部を欠く就業規則も、その効力発生についてのほかの要件を備えている限り有効ですが、必要部分を欠いたことによる作成義務違反が生じてしまいます。
 また、就業規則の内容が複雑化していることから必要記載事項を別規程とすることもできますが、その場合も所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。

◆おわりに
 就業規則は事業主と労働者の双方を拘束するものですので実態に合った内容を作成しなくてはなりません。
 他社の就業規則を参考に作成した場合、実態にそぐわないでしょうし、また、法令や労働協約に反してはならず、過去に作成した場合は現在の法令に合っていないことも起こりえます。

 今一度、就業規則の点検・見直しを行ってみてはいかがでしょうか?作成・変更するのは複雑で、煩雑ですが労使間のトラブルのもとになることもありますので、問題が起きる前のルール作りをおすすめいたします。

税理士法人 道央会計事務所(労務部)
庵原宏章行政書士事務所