厚生労働省より毎年、労働基準監督年報が公表されており、平成26年分が発表されました。労働基準監督年報の第2章が「監督指導等」となっており、平成26年中に労働基準監督官が監督をした結果が記載されております。
監督を実施した件数は、166,449件で、定期監督等(毎月一定の計画に基づいて実施する監督のほか、一定の重篤な労働災害または火災・爆発等の事故について、発生直後にその原因究明および同種災害の再発防止等のために行う監督を含む)が129,881件、申告監督(労働者等からの申告に基づいて実施する監督)が22,430件、再監督(定期監督、申告監督の際に法違反を指摘した事業場の内、一定のものについて法違反の是正の有無を確認するために行う監督)が14,138件となっています。
定期監督における何らかの法違反があったものは90,151件(69.4%)となり、内容では労働時間に関する違反(30.4%)、安全基準(28.4%)、割増賃金(22.1%)、健康診断(20.8%)、労働条件明示(16.8%)、就業規則(12.7%)となっています。
申告監督においては31,709件(前年からの繰り越しが4,620件、当該年中の新規受理が27,089件となり、このうち当年中に完結した件数は27,580件となっています。そして、新規受理した申告では賃金不払いが23,022件(85.0%)、解雇4,239件(15.6%)となっています。
このように定期監督と申告監督における違反状況は異なっていることがわかります。
定期監督において約70%の企業が違反を指摘されていますが、規程等が古い場合や規程等を整備していたもののうっかりミスで誤った場合、またはそもそも法律を知らなかった等違反となる発端はたくさんあります。調査はできるだけ受けたくないと考える企業は多いと思いますが、違反を指摘され様々な対処が必要とならないように、日頃から関連する法律の改正等に注意し、確認することが重要になります。
◆厚生労働省ホームページhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/kantoku01/
税理士法人 さくら総合会計 労務部 横浜 昭浩