#0151 扶養控除等申告書のマイナンバー(個人番号)の省略について
2015/12/01
平成28年1月よりマイナンバー制度の運用が開始されますが、その際、事業者には個人情報であるマイナンバーについてそのデータが流出しないよう安全管理措置を講じなくてはなりません。具体的な保管方法については、記録媒体等の盗難等の防止策として鍵付きキャビネットや鍵付きの引出し・金庫などといった場所にマイナンバーが記載された書類等の保管をしなくてはならないといった厳格な保護措置が設けられております。
このような状況の中、28年分扶養控除等申告書よりマイナンバーを記載する欄があり、そのマイナンバーが記載された書類ということで、保管について上記のような鍵付きキャビネット等に今後7年間分の扶養控除等申告書のすべてを保管していく必要があります。
そこで、28年1月以後に提出する扶養控除申告書には、原則個人番号の記載を省略することはできませんが(27年中に提出するものは記載義務なし)、事業者の安全管理措置への対応の負担軽減を図るため、以下の要件を満たすことで、扶養控除等申告書の個人番号の記載を省略することができるようになりました。
●必要要件
①給与支払者と従業員との間で合意があること
口頭、書面、就業規則に規定する等の措置が考えられます。
②従業員が、「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない旨」を扶養控除等申告書の余白に記載すること
③給与支払者が、「既に提供を受けている従業員等の個人番号を確認した旨」を扶養控除等申告書に記載すること
なお、給与支払者において保有している個人番号と個人番号の記載が省略された者に係る個人番号については、適切かつ容易に紐付けられるよう管理しておく必要があります。
これにより、従業員一人につき一枚の扶養控除等申告書を別途鍵付きキャビネットに保管していく必要があったものが、マイナンバーの一覧表の作成・保管で済むこととなります。
留意点として、従業員等の個人番号につては、扶養控除等申告書の保存期間(7年間)は、廃棄又は削除することができません。
今後もマイナンバー制度については、取扱等の変更及び追加が行われていくものと思いますが、事業者の負担がなるべく軽くなる方向での運用を望みます。
税理士法人 さくら総合会計 監査部 西舘 啓和