#0145 売れやすい会社と売りづらい会社
2014/07/03
今回は、M&A仲介を行っていて、比較的短期間で買い手が見つかる会社と買い手が見つかるまで長くかかる会社の特徴を比較してみたいと思います。1.売れやすい会社 2.売りづらい会社
(1)継続的に利益を出している。 | (1)財務内容が悪い。 |
(2)事業に将来性がある。 | (2)簿外債務がある可能性がある。 |
(3)買い手との相乗効果が見込まれる | (3)事業が将来発展する余地がない。 |
(4)財務内容に不透明なところがない。 | (4)一つの取引先に依存している。 |
(5)事業に特徴がある。 | (5)売り手企業の社長の意思がブレている。 |
(6)譲渡希望価額が高すぎる。 | |
(7)社長が抜けると売上・利益が極端に落ちる。 | |
(8)資産が過大にあり、投資効率が悪い。 |
上記のように売りやすい会社と売りづらい会社の特徴はいくつかありますが、中小企業のM&A仲介を行う上で最もポイントとなるのは、「2.(7)社長が抜けると売上、利益が極端に落ちる。」かどうかということです。中小企業における社長の存在感は圧倒的で、創業期、成長期においてそれがなければ、淘汰されてしまうこともあります。
しかし、M&Aの局面においては、社長個人への依存度が高いことが、場合によってマイナスに働くことがあります。
会社の安定した成長や事業承継の出口としてのM&Aを視野にいれた場合、組織を整え、組織として戦っていける集団を作ることで、社長が退職したとしても一定の売上、利益を維持できる体制を整えることが大事なこととなります。
このことは、M&Aのみならず事業承継の他の選択肢である親族内承継、親族外承継の際にも同じことが言えますので、事業承継をお考えの方は事業の継続性を念頭においた組織作りを心掛けて頂ければと思います。
株式会社 さくら総合M&Aセンター 小野 徹