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コラムレター

#0125 ねんきん定期便だけでは分からないこと
2012/01/11
ねんきん定期便だけでは分からないこと~老齢厚生年金に係る加給年金と振替加算

 国民年金と厚生年金の加入者に対して、平成21年4月から毎年誕生月に「ねんきん定期便」が送付されるようになり、保険料の納付状況や老齢年金の見込額が把握できるようになっています。「ねんきんネット」(日本年金機構)を利用しても確認できます。
老後の生活設計をするうえでとても便利になりましたが、ねんきん定期便には老齢厚生年金に加算される「加給年金額」や、老齢基礎年金の「振替加算額」は記載されていないので、自分で試算するしかありません。

加給年金とは…
  20年以上の加入期間に基づく老齢厚生年金には、受給権者が定額部分(定額部分が支給されない者については老齢基礎年金)の支給開始年齢に達したときに、その受給権者に「生計を維持されている一定の配偶者(65歳未満)あるいは子(18歳に到達する日以後の最初の年度末(3月31日)までの間にある子、または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子)」がいる場合、通常の年金額に加給年金額が加算されます。
  生計の維持関係は「生計が同一であること」や「収入が一定額未満であること」などの要件を満たしているかどうかで判断されます。

振替加算とは…
  自分(夫)の老齢厚生年金の配偶者加給年金は、配偶者(妻)が65歳になると加算されなくなります。その際に、昭和41年4月1日以前生まれの配偶者(妻)の老齢基礎年金には、妻の生年月日に応じた一定額の加算がされます。

  事例
  夫:昭和25年12月24日生まれ、厚生年金加入20年以上
  妻:昭和31年12月24日生まれ、老齢基礎年金の受給要件は満たしている
 の場合、

  ①夫が60歳になった月から老齢厚生年金の報酬比例部分の受給開始(妻54歳)
  ②夫が65歳になった月から老齢厚生年金、老齢基礎年金の受給開始(妻59歳)
    また、妻が65歳未満なので、夫の年金に加給分が上乗せされる。
  ③妻が65歳になった翌月から加給分がなくなり、妻の老齢基礎年金に振替加算が
    上乗せされる。


  不景気が続く昨今、団塊の世代にとっては老後の生活資金計画を立てることが大事ですが、加給年金や振替加算は、夫と妻の生年月日、年齢差、支給開始年齢等によって様々なパターンがあるので注意が必要です。

税理士法人 さくら総合会計 新潟事務所 大橋 悠輝