コラムレター

2017/5/31 #0168 隣家火災により自宅が被害を受けた場合の賠償責任について

今回は隣家から出火し、自宅が被害を受けた場合は出火元である隣家から賠償を受けられるのか?について解説します。

 民法709条によると「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とされています。
 しかし火事における賠償責任は「重大な過失」で失火した場合に限り責任を負うとされております(失火責任法)。

 「重大な過失」があり賠償責任が認定された判例は以下のようなものがあります。
石油ストーブの火をつけたまま給油し、こぼれた石油に着火した場合
寝たばこが原因となって火事が起きた場合
コンロでてんぷら油の入った鍋に中火をかけたまま台所を離れ、加熱した天ぷら油
 から出火延焼した場合

ところが、庭で枯葉を燃やして消火した後に火が再燃して火事が起きた場合には「重大な過失」はないと認定されたケースもあります。

 日本では木造家屋が密集した街づくりとなっており、被害が大きくなることが予想され民法709条をそのまま適応すると失火者の責任が過大と成り得ることに配慮して失火責任法は成立した背景があります。そのため隣家からの延焼被害は必ずしも賠償を受けられるとは限りません、火災保険は「もらい火」の自衛手段としても有効ですので、定期的に現在ご加入の火災保険の内容を確認する事が重要です(保険の対象が建物なのか家財なのか、担保している事故の範囲や保険金額など)

 またご自身が出火元となり隣家に被害を与えた場合に、賠償責任を負わなくとも隣家への補償に対応できる「類焼損害特約」や、「重大な過失」が認定され隣家の被害への賠償責任を負った場合に備えた「個人賠償責任特約」なども特約付帯されているのか?途中で付帯する事ができる保険なのかなども併せてご確認ください。


株式会社パワーコンサル リスクマネジメント部 高橋 安武
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