コラムレター

2016/1/5 #0153 「103万円・130万円の壁」を考える

 平成27年11月27日に発表された政府の経済財政諮問会議の中で、女性の活躍推進を制約する要因の一つとして指摘されている、特にパートタイマーが自ら就業調整する要因であるいわゆる「103万円・130万円の壁」の是正が検討されていましたが、12月16日に発表された28年税制改正大綱では、配偶者控除見直しの議論が先送りされました。
103万円の壁とは・・・妻の所得が103万円を超えると、夫の所得税課税額が増え始めることから、妻の所得を103万円に抑えるインセンティブが生じる。
130万円の壁とは・・・妻の所得が130万円を超えると、社会保険(厚生年金・健康保険)の保険料負担によって急激に手取り額の減少が生じることから、労働時間を調整することが多い。社会保険料が労使折半の仕組みでは、企業・労働者双方に労働時間を減らすインセンティブが生じ得る。

 経済財政諮問会議の中での試算は、年収100万円の主婦等のパート労働者100万人が年収150万円を稼いだ場合の個人の可処分所得、社会保険料(本人、事業主負担計)を試算しており、それによると、本人負担は、社会保険料が0円から約20万円に、税が0円から約6万円に、可処分所得が100万円から約124万円にそれぞれ増えることから、社会的利益が、社会保険料約4,000億円、税収約600億円、可処分所得が約2,400億円の計7,000億円に拡大するとの試算をしています。

 具体的な解決策はまだ打ち出されておりませんが、昨今、人材不足に悩んでいる中小企業にとっても、貴重な労働力になることが見込め、かつ、働く本人にとっても労働意欲が向上するのであれば、早急に「103万円・130万円の壁」の是正案を政府には早急に打ち出して欲しいものです。アベノミクス第二ステージのマクロ経済政策の重点課題として政府与党の手腕も問われる内容ですので、今後の動向に注目です。 

                 
税理士法人 さくら総合会計 監査部 池内 幸
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