コラムレター

2014/9/11 #0146 電子マネー(ICカード)の経理処理

 近年、JR東日本の「Suica」JR北海道の「Kitaca」札幌市交通局の「SAPICA」など、交通系のICカードの普及が急拡大しています。外回りをする社員にこれらICカードを持たせているケースもありますが、ICカードは運賃の利用ばかりではなく、最近ではコンビニエンスストアや自動販売機などでの利用も可能となっています。また、利用するには現金等をチャージしなければなりません。
 そこで今回は、気になるICカードの経理処理と管理の方法についてご紹介します。

【チェックポイント】
  1.ICカードに現金をチャージしただけでは経費にならない
  2.利用の内容に応じて経理処理をする
  3.利用履歴を印字し確認する

1.ICカードに現金をチャージしただけでは経費にならない
 法人税法上ICカードへの“チャージ”は、原則として支出時の経費とはならず、チャージした金額のうち、実際に使用した金額分のみ経費となります。この原則によれば、例えば10,000円をICカードにチャージした場合は仮払金や預け金の科目を使い、仮払金(預け金)/現金 10,000と経理します。

2.利用の内容に応じて経理処理をする
 実際にICカードを利用したときに、次のように経理処理をします。

(1)取引先訪問のため電車に乗り、640円利用した
 <借方> 旅費交通費 593/<貸方> 仮払金(預け金) 640
      仮払消費税  47
(2)コンビニで108円の事務用品を購入した
 <借方> 事務用品費 100/<貸方> 仮払金(預け金) 108
      仮払消費税   8
(3)従業員が個人的に250円のマンガ本を購入していた
 <借方> 立 替 金 250/<貸方> 仮払金(預け金) 250
(4)ポイントが貯まって自動的にポイントが交通費で利用された
 <借方> 旅費交通費 259/<貸方> 雑収入(不課税) 280
      仮払消費税  21       

 これらの仕訳は、利用履歴を確認しながら適宜行います。利用履歴を整理してまとめて仕訳を起こしても構わないでしょう。もし、利用履歴の中に個人的な支出があった場合は立替金などで処理し、精算します。

3.利用履歴を印字し確認する
 適切な経理処理をするためや私的利用の防止、税務調査時の疎明資料として、利用履歴を印字します。履歴表示・印字機能つきの券売機や駅窓口などで表示・印字することができます。ICカードの種類によっては、カードリーダを使ってパソコン上で確認出来ます。

 ICカードの経理処理は実務上、少額であればチャージをした時点で旅費交通費等として処理しがちですが、税務調査時に問題となるケースもありますので、やはり使用した分だけ経費となるという認識が必要になります。

 また、社内で利用ルールを決めて、私的利用が起こらないように管理をしましょう。

税理士法人 さくら総合会計 監査部 船倉 久歳
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