コラムレター

2012/11/30 #0133 太陽光発電設備に係る所得税の税務

 東日本大震災により原発問題が社会的に大きな問題となっています。その影響で新エネルギーについても国民の関心が非常に高まっています。最近では、太陽光発電設備を設置して電力会社が余剰電力を買い取ってくれる制度があります。
そこで、太陽光発電設備を設置して余剰電力の買取りが行われた際の収入に関して、確定申告では、どのように処理すればよいのでしょうか。

給与所得者のケースでは、電力会社への余剰電力の売却収入「雑所得」の対象となります。また、余剰電力の売却収入が年間20万円以下の場合、確定申告そのものが不要になります。

 事業所得者のケースでは、店舗兼住宅に設置した場合で、発電量や使用料について、自宅で使用したか、もしくは店舗で使用したかが明らかではない場合、余剰電力の売却収入は事業用資産からもたらされる収入として「事業所得の付随収入」に該当します。

 次に経費面の取扱いについてです。太陽光発電設備の取得は、太陽光パネルなどが建物に附属して取り付けられているため、建物附属設備と考えられがちですが、太陽電池モジュールやパワーコンディショナーが一体となって発・送電を行う自家発電設備であるため、機械装置に該当するものと考えられます。したがって、機械装置の耐用年数で減価償却費を経費計上することとなります。
 耐用年数は太陽光発電設備の使用用途によって違います。製造業の機械装置としての太陽光発電蓄電設備などは、その設備から生ずる最終製品(自動車製造業の場合、自動車)により種類の判定をおこない耐用年数を決めることになります。

 通常、事業所得者がエネルギー環境の改善のために設備を取得した場合には、税法の特例制度である特別償却・特別控除(例えば、「エネルギー需給構造改革推進設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除」、「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除」)などを適用することができます。
 しかし、賃貸アパートなどに設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入に関しては、不動産所得に係る収入金額となり、事業所得ではないのでの特例を受けることができませんので、注意が必要となります。

 この度の地震で、私たちが普段何気なく使っている電気の在り方を、改めて考えさせられました。新エネルギーの活用ができるように、私たちも協力していかなければならないのではないでしょうか。

税理士法人 さくら総合会計 新潟事務所 伊丹 義博
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