コラムレター

2012/1/17 #0126 寄附金税額控除について

  平成23年度税制改正において、個人の寄附金について従来の所得控除制度の他に今回新たに税額控除制度が加わりました。
  この税額控除制度は、個人が一定の要件を満たした公益財団法人や公益社団法人等に対して寄附金を支出した場合に、所得税の確定申告の際に税額控除を受けることができるというもので、従来の所得控除制度と比べて小口の寄附についても減税効果が大きいという特徴を持っています。
「ポケットマネー程度でも社会貢献がしたい、しかも税金も安くしたい」という方にとっては、この税額控除制度は非常に有効です。以下に税額控除制度についての内容や確定申告時の注意点等を記載致します。

1.各種寄附金控除の算出式

  以下の2つの控除制度は所得税の確定申告時においてどちらか有利な方を選択適用することができます。
  \燃杞欺制度
(税額控除対象寄附金(※1)−2,000円)×40%=控除対象額(※2)
この額が所得税から控除されます。

※1、2 税額控除対象寄附金及び控除対象額には一定の限度額があります。

  ⊇蠧盛欺制度
(寄附金額と、その年分の総所得金額等(※)の40%のいずれか低い方の額)−2,000円=所得控除額
      この額が税金の計算の元となる課税所得から控除されます。

  ※「総所得金額等」とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。

2.所得税における税額控除の対象となる法人

  所得税における税額控除制度が利用できる寄附の対象となる法人は、行政より税額控除に係る証明を受けた公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人等(以下、税額控除対象法人といいます。)です。税額控除対象法人以外の法人に寄付しても税額控除制度を利用することはできず、従来の所得控除制度を利用することとなります。また、税額控除対象法人であっても「税額控除に係る証明」を受けた時期によっては対象とならない場合があります。

3.個人住民税

  今回の所得税における税額控除制度とは直接的に関係ありませんが、個人の住民税については以前より公益的な法人に対する寄附金の税額控除を受けることが可能となっています。ただし、その対象となる寄附先の法人は各地方公共団体の条例によって指定されています。どの法人が対象となっているかは、各地方公共団体のホームページや税条例を調べたり、税務課等に問い合わせをすることで把握することが可能です。
寄附する方が居住する都道府県・市町村に所在する「条例で指定された法人」に寄附をすれば、都道府県民税・市町村民税のダブルで個人住民税の控除を受けることが可能です。

4.「寄附をするとき」と「寄附をした後」に注意すべきこと

  社会貢献もしたいが税金も安くしたいという場合は、以下の事項について考慮する必要があります。
  ヾ麌蹐鬚垢襪箸
  ・寄附しようとする法人が所得税の税額控除対象法人に該当するか否か
    →寄附しようとする法人に対し、その旨の問い合わせをする。
  ・個人住民税でも税額控除を受けたい場合は、寄附しようとする法人が個人住民税における寄附金税額控除の条例指定を受けているか否か。
    →寄附する方が居住する地方公共団体(都道府県・市町村)のホームページで確認するか、問い合わせをする。
  ・寄附をする際は、2,000円超の金額を寄附する。2,000円以下ですと控除を受けることができません。
  ・寄附をした際は、寄附先の法人より寄附金領収書と所得税の税額控除に必要な「税額控除に係る証明書写し」をもらう。
  寄附をした後
  ・所得税の確定申告時に、寄附金について、所得控除・税額控除のどちらが有利かを検討する。
  ・所得税の確定申告書に寄附金領収書及び「税額控除に係る証明書写し」等を添付する。
  ・個人住民税の税額控除については、所得税の確定申告をすれば特段の書類作成は必要ありません。

最後に、公益的な活動を行う法人に対する寄附については、寄附をする側・受ける側双方に気をつけるべき点が多くあります。詳しくは弊社公益社会福祉法人部までお気軽にお問い合わせください。

税理士法人さくら総合会計 公益社会福祉法人部 斉藤輝彦
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