コラムレター

2011/7/14 #0119 平成23年度税制改正法案について

 平成23年度税制改正法案の一部が6月22日の参議院本会議で成立しました。
 そこで今回は、成立した法案と見送り・継続審議になった法案の主なものについてご紹介いたします。

平成23年度税制改正法案の修正と分離について
 6月10日の衆議院本会議では、平成23年度税制改正法案が下記ように分離されました。
●経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案 → 今回成立
●現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案 → 今回見送り・継続審議


経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案(今回成立)

【消費税関係】
1、 仕入税額控除の95%ルールの見直し

課税売上が95%以上の場合における、課税仕入れ等の全額仕入税額控除は、その課税期間の課税売上高が5億円超の事業者には適用しない
→〔平成24年4月1日以後開始する課税期間から適用〕

2、 事業者免税点制度の見直し

基準期間の課税売上高が1,000万円以下である事業者のうち、前年の事業年度等の上半期の課税売上高(又は給与等の金額)が1,000万円を超える場合には、免税点制度の適用を受ける事ができない
→〔平成25年1月1日以後に開始する事業年度等から適用〕

【法人税関係】
1、 雇用者の数が増加した場合の法人税額の特別控除の創設 一定の要件を充たす青色申告法人に対して、当期中に増加した雇用保険の一般被保険者一人あたり20万円の税額控除が出来る制度を創設。
一定の要件とは、
・前期及び当期に事業主都合による離職者がいない。
・当期末の雇用保険の一般被保険者が前期末より5人以上(中小法人の場合は2人以上)増加、及び、10%以上増加している。
・当期の給与の増加額が、前期の給与額×雇用者の増加率×30%以上である。
→〔平成23年4月1日〜平成26年3月31日の間に開始する事業年度で適用〕

2、 中小企業者等の法人税率の特例の延長

中小企業者等に対する年800万円以下の所得金額部分の税率を本則22%から18%とする。
→〔平成24年3月31日まで延長〕

【その他】
1、 住宅家屋の所有権の保存登記の税率軽減措置の延長
→〔平成25年3月31日まで延長〕
2、 住宅家屋の所有権の移転登記の税率軽減措置の延長
→〔平成25年3月31日まで延長〕
3、 住宅取得資金の貸付等に係る抵当権設定登記の税率軽減措置の延長
→〔平成25年3月31日まで延長〕
4、 不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率軽減措置の延長
→〔平成25年3月31日まで延長〕
※1〜4の詳細については、http://www.dao.or.jp/essay.php?d=122をご参照ください。


現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案(今回見送り・継続審議)

【法人税関係】
1、 中小法人軽減税率(22%→19%)
2、 措置法による中小法人軽減税率(18%→15%)
3、 欠損金の繰越控除の見直し(7年→9年)

【所得税関係】
1、 給与所得控除の見直し
2、 特定役員退職手当等の見直し
3、 成年扶養控除の見直し

【資産課税関係】
1、 相続税基礎控除の見直し
2、 相続税の税率構造の見直し

【その他】
1、 更正の請求期間の延長(1年→5年)

 今回の改正では、課税の適正化等の項目と、期限切れの租税特別措置の延長等が規定されており、抜本的な改革部分は継続審議となりました。
 継続審議となった部分は私たちの生活にも大きな影響がありますので、今後の動向が注目されます。

税理士法人 さくら総合会計 監査部 武信
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