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コラムレター

#0182 遺言制度の見直しについて
2018/12/27
 近年、「終活」という話題がよく取り上げられ、相続に関心が高まっており、遺言書を作成する方が増えています。
 平成30年7月13日に民法(相続法)が改正され、遺言制度についても見直しがされましたので、その内容についてご紹介します。

<自筆証書遺言の作成要件の緩和>
(改正前)添付する財産目録を含め、全文を自書しなければなりませんでした。
(改正後)添付する財産目録については、パソコンで作成した目録や通帳の写し、登記事項証明書等の添付が可能になり、作成時の負担軽減が図られました。
全てのページに署名・押印が必要となります。
平成31年1月13日の施行日以降作成分から適用されますので、施行日前に作成したものについては無効となります。

<法務局での遺言書保管制度の創設>
(改正前)保管方法に特に定めがなく、自宅に保管されているケースが多く、紛失や忘却等の問題がありました。
(改正後)自筆証書遺言を利用しやすくするため、封をしていない自筆証書遺言を法務局で保管することができるようになりました。
公布日(平成30年7月13日)から2年以内に施行予定ですので、施行日が決定するまでは法務局への保管申請ができません。

◆手続きの流れ
・遺言者本人が、遺言書を法務局に持参し、本人確認、遺言書の中身の確認が行われ、問題なければ原本とともに画像データとして保管されることになります。
◆相続開始後
・相続人や受遺者は、遺言書の閲覧、データ保管された遺言書の画像情報等を証明する書面の交付を請求することができます。
・遺言書の閲覧がなされた場合、又は遺言書の画像情報等を証する書面が交付された場合、遺言書が保管されている旨が他の相続人に通知されます。
法務局で保管される自筆証書遺言は家庭裁判所での検認手続きが不要になります。

 今回の改正により自筆証書遺言が利用しやすくなりましたが、遺言書を法務局で保管する場合は必ず家族の誰かに伝えておくことが重要です。

税理士法人 さくら総合会計 監査部 若月 真人